東福寺は、京都・東山にある臨済宗東福寺派の本山。摂政九条道家が祖父の菩提寺として都最大の寺を造ろうとし、奈良の東大寺と興福寺にあやかり寺名としました。開山は円爾弁円 (聖一国師)、34歳で宋に渡り6年を過ごし帰朝したのち九条道家に仰がれ東福寺を開きました。寺域は5万坪あり、三門、本堂、方丈、庫裏等からなる主要伽藍を中心に25の塔頭寺院があります。方丈の庭園は近代の作庭家・重森三玲によって1939年に作庭され、鎌倉期の質実剛健な風格と近代芸術の抽象的要素が取り入れられた庭となっています。東福寺が最もにぎわうのは秋の紅葉の季節です。山あり谷あり橋ありの広大な庭園が特に美しく装います。渓谷・洗玉澗に架かる通天橋の橋下の楓は「通天紅葉」と呼ばれ、ここから眺める紅葉が最も美しく、楓は円爾弁円が宋から持ち帰ったものと言われています。紅葉のほか近年では「青もみじ」と称し新緑の季節も人気となっています。