仁和寺は、888年に創建された真言宗御室派の総本山。仁和2年(886年)光孝天皇の勅願寺として大内山に起こされ、光孝天皇の遺志を継いだ宇多天皇によって同4年に完成しました。宇多天皇は醍醐天皇に譲位して仏門に入り、寺内に室を設けて法務の在所としました。室とは僧坊を意味し、尊称して御室と呼ぶようになりました。平安～鎌倉時代の仁和寺は門跡寺院として最高の格式を保ち栄えましたが、応仁の乱の戦火により一山のほとんどを焼失しました。江戸時代になり徳川家光の寄進を得て、京都御所の改造に伴う諸建築を下賜され再興が行われました。御室御所とも呼ばれる御所さながらの雰囲気はこうした由縁があります。春には桜で寺内が彩られますが、その中でも中門西側一帯の「御室桜」は遅咲きで有名です。衣笠山の麓の道は「きぬかけの道」と呼ばれ金閣寺、龍安寺、仁和寺など見どころも多くあります。金閣寺から仁和寺までは約2kmの距離です。