蹴上インクラインは、京都府京都市左京区にある、全長582メートルの世界最長の傾斜鉄道跡で、高低差約36メートルの琵琶湖疏水の急斜面で、台車に船を乗せて運航するために敷設されました。明治24年（西暦1891年）から昭和23年（西暦1948年）まで実用に供されていたもので、現在は国の史跡として整備され、桜並木の人気観光スポットになっています。蹴上インクラインへのアクセスは、京都市営地下鉄蹴上駅から徒歩約3分、JR京都駅から市バス5系統を利用、「南禅寺」バス停下車、徒歩約3分程度となっています。春になるとレールの上に約90本のソメイヨシノが薄紅色のアーチを掛けます。蹴上駅近い入口から入り、ゆっくりと下りながら、南禅寺方面へ向かうとよいでしょう。廃線路の上を歩きながら桜を観賞するという珍しい体験ができます。蹴上インクライン近くの乗船場から、琵琶尾疎水を通って、山科・大津へ抜ける「びわ湖疎水船」も運行されています。