清涼寺は京都・嵯峨嵐山にある浄土宗の寺院です。天竺・中国・日本の三国伝来の像といわれる釈迦如来像が古くから信仰を集め「嵯峨の釈迦堂」の名で知られてきました。寛和2年(986年)に宋から帰国した東大寺の僧・奝然が東の比叡山に対して西の霊山愛宕山へ建立を企てたがこれが果たせず、弟子の盛算が現在の地に釈迦堂を立て奝然が持ち帰った釈迦如来像を安置して五台山清凉寺としました。国宝に指定されている本尊の木造釈迦如来立像は、本堂の美麗な厨子に安置されており、高さは160cm、スラリとした様相を持ち、目には黒い玉、耳には水晶がはめ込まれています。生身の釈迦をうつしたというこのスタイルは「清凉寺式」として模刻も多く造られています。嵐山の観光の中心渡月橋からは歩くと約15分、にぎやかな場所から離れた住宅地の間に清凉寺はあります。清凉寺山門の右手にある豆腐店「森嘉」は有名で飛竜頭、からし豆腐など夕方には売り切れてしまいます。