壬生寺は京都・四条大宮にある律宗大本山で、正暦2年(991年)快賢僧都によって創建されました。新選組ゆかりの寺としても知られており、幕末に新選組が本拠を置いたことから境内には近藤勇の胸像や隊士の墓が並ぶ壬生塚があります。この寺を有名にしているのは節分会の炮烙奉納と4月と10月に行われる壬生念仏狂言です。鎌倉時代からの伝統を伝える壬生狂言は、壬生寺中興の祖・円覚上人が布教のために唱えた念仏が聴衆に聞き取れないので無言で動作に仕組んだのが始まりといわれており、近在の旧農家の人々が中心になって演じられています。わずかなはやしと唱和が入るだけのいわば無言劇で、すべての役が白布で頭と顔を包み仮面をつける仮面劇でもあり、国の重要無形文化財に指定されています。またこの地は低湿で京菜の栽培に適し、京都の伝統野菜の壬生菜や水菜を生んだ農村地帯でもありました。阪急大宮駅からは歩いて約15分、住宅街の中に位置しています。