天下茶屋は西成区の中部から東部を包括的に示す地名で、現在ではほぼ全域が住宅地となっています。大阪の典型的な下町として知られている天下茶屋にはかつて茶屋があったため、地名の由来となりました。古代には「天神の森」と言われる森が存在しており、そこに湧く水の良さに着目して茶室が建てられたと言います。その森を切り開いて道をつくったのが、千利休の師匠である武野紹鴎(たけのじょうおう)でした。また、住吉神社を参拝した豊富秀吉がこの地の茶店に立ち寄り、千利休に茶を点てさせたところ、味の良さに感激し、玄米年三十俵の朱印を与えたと言います。そこから天下人の「天下茶屋」という名で知られるようになりました。その由来を示す建物は戦災で焼失し、現在は天下茶屋跡として、楠の大樹と土蔵、石像だけが残っています。
住所
大阪府大阪市西成区天下茶屋
アクセス
南海本線、高野線「天下茶屋駅」
Osaka Metro 堺筋線「天下茶屋駅」