国産ビール発祥の地碑は、夜にはバーやクラブ、スナックなど約3,000店舗のネオンがまばゆく輝く、大阪を代表する歓楽街・北新地に建っています。日本初のビール醸造所が作られたのは横浜ですが、日本人によってビール醸造・販売が初めて行われたのは大阪です。1872年、渋谷（しぶたに）庄三郎が、北区堂島中9番地にあった土地と土蔵などを利用し、「渋谷ビール」のビール醸造所を作りました。そこで、アメリカ人フルストに指導を仰ぎながら、番頭であった金沢嘉蔵を醸造主任として、ビール作りを行います。材料は、国内産の大麦と輸入品のホップ、外国人用のパン屋さんから仕入れたイーストを使用しました。日本人にまだビールがなじんでいなかったこともあり、売り上げは芳しくなく、1881年に「渋谷ビール」は廃業します。その後、大阪麦酒会社（現在のアサヒビール）が、1891年に吹田工場をオープンしました。イギリスのアパレルメーカー「Superdry 極度乾燥(しなさい)」の名前の由来になったアサヒスーパードライは、工場見学すると無料で試飲することができます。